開発ノート Vol.5|くっきりした像や透明さを決めるプリズム

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BaK4プリズムが、夜空を鮮明に美しくする理由

開発ノート Vol.5|くっきりした像や透明さを決めるプリズム

双眼鏡の見え味は、レンズだけで決まるものではありません。

目に入ってくる光の“透明さ”や“抜けの良さ”。
星が点として立ち上がる感覚。
暗い夜空の中で、星団の粒がほどけるように見える瞬間。

それらを静かに支えているのが、双眼鏡の内部にある「プリズム」です。

普段は目に触れない部分ですが、ここはまさに、光が通る道を決める心臓部。

今回は、涼風工業の双眼鏡「SK-10x50」が採用している
BaK4プリズムについて、少しだけ深くお話しします。


<双眼鏡の中で光はどう進むのか>

双眼鏡の内部では、光は一度まっすぐ目に届くわけではありません。

対物レンズ(前の大きなレンズ)で集められた光は、そのままでは上下左右が反転した状態になり、見える像としては使いづらい形になります。

そこで登場するのがプリズムです。

プリズムは、光を内部で反射させながら像の向きを整え、さらに双眼鏡をコンパクトな形に収める役割を担っています。

つまりプリズムは、
「光を正しい形で目に届けるための道づくり」
そのものなのです。



<BaK4とBK7は、何が違うのか>

プリズム材にはいくつか種類がありますが、双眼鏡でよく語られるのが

・BaK4
・BK7


この2つです。

どちらもガラス素材ですが、見え味に関わる大きな違いは、“光の通り方” と “全反射のしやすさ” にあります。

簡単に言うと、
BaK4は、光をより無理なく内部反射させやすく、光のロスが少なくなりやすいプリズム材です。

BK7は、コストを抑えやすく、日中用途では十分な場合もありますが、条件によっては光が端で欠けやすくなることがあります。

この違いが、夜空の見え方に少なからず影響します。



<見え味の差が出るポイントは「周辺の明るさ」>

BaK4とBK7の違いは、極端に言えば「真ん中が見えるか」ではなく、

“視野の端まで自然に見えるか”

という部分に表れます。

双眼鏡を覗いたとき、像の端が少し暗く感じたり、光が欠けたように見えることがあります。

これは、プリズム内部で光が十分に反射しきれず
光束が一部欠けてしまうことで起きる現象のひとつ。

夜空では特にこの差が出るんですね。

日中のように光が豊富な環境なら気づきにくくても、星空のように光が少ない世界では、
“わずかなロス”が見え味の印象を大きく変えてしまいます。

BaK4プリズムは、この部分で安定した像を作りやすい素材です。



<星空に必要なのは「解像」だけではなく「透明さ」>

双眼鏡の比較検討をされる方ほど、解像度や倍率、口径といった数値を意識されると思います。
もちろん、それは大切です。

ただ、星空で本当に心に残るのは“どれだけ細かく見えるか”以上に、

・星の光が濁らずに届く
・暗い背景が沈んでくれる
・にじみが少なく、粒が立つ
・光が澄んだまま目に入る


こういった「透明さ」だったりします。

プリズムは、その透明さを支える重要な部品です。

BaK4を選ぶというのは、
見え味を“派手”にするためではなく、光を“素直”にするための選択。

夜空を静かに味わうには、その素直さがとても大切になります。



<涼風工業がBaK4を選んだ理由>

私たち涼風工業の「SK-10x50」は、天体観測や星空観察にしっかり向き合うために

・BaK4プリズム
・FMC(全面マルチコーティング)
・10×50(光量と安定性のバランス)
・射出瞳径(ひとみ径)5mm
・窒素充填+IPX6防水

こうした要素を、ひとつの“見え味”として組み上げています。
BaK4は、その中のひとつ。
けれど、光の通り道の土台として、とても大きな役割を担っています。

星は小さな光です。
だからこそ、その光を無駄なく、やさしく、正確に届けたい。

私たちがBaK4を採用したのは、そのためです。


<屋外での比較ポイント(BaK4の良さが出る見方)>

BaK4の違いは、明るい室内よりも屋外でより感じられます。
特に星空のように光が少ない環境では、光のロスが少ないBaK4が強みになります。

1)星を「端まで運ぶ」
明るめの星を視野の中心に入れ、ゆっくり端へ移動させてみてください。
BaK4は視野の周辺まで光が残りやすく、星が端で消えにくい傾向があります。

2)「背景の暗さ」を見
星そのものより、空の黒がどれだけ沈むかを見ると違いが分かりやすくなります。
BaK4は光を無駄なく扱いやすく、夜空の“黒”が締まって感じられることがあります。

3)2台で比べるなら「A→B→A」
2台の双眼鏡を使う場合は、同じ星を見ながら
「双眼鏡A → 双眼鏡B → もう一度双眼鏡A」という順番で短く切り替えるのがおすすめです。

最初の印象だけで決めず、戻って確認すると違いがつかみやすくなります。



<まとめ:夜空に強いプリズムとは何か>

夜空に強い双眼鏡とは、単に倍率が高いものではありません。

暗い世界で、光をどれだけ丁寧に扱えるか。
プリズムは、その丁寧さの中心にあります。

見え味は、数値だけでは語れません。
けれど、内部に流れる光の道を知ると、双眼鏡の選び方は少し変わります。

星の光を、澄んだまま受け取りたい方へ。
BaK4プリズムは、最適な選択となるはずです。


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