2026年10月26日はハンターズムーン|秋の満月、双眼鏡でのぞいてみませんか

星空観察ガイド
大椛正志(Masashi Okaba)大椛正志(Masashi Okaba)

秋の満月が、双眼鏡で新しい顔を見せてくれます。

2026年10月26日はハンターズムーン|秋の満月、双眼鏡でのぞいてみませんか

2026年10月26日(月)13時12分、満月を迎える今年の「ハンターズムーン」。東京では16時35分ごろから東北東の低い空に月が昇りはじめ、夕暮れの空に浮かぶ大きな月の姿を眺めることができます。
「ハンターズムーン」という名前は、秋の収穫が終わった野原で、狩人たちが月明かりを頼りに夜の野を歩いたという伝統に由来。この名前によって月が特別な色や大きさになるわけではありませんが、その呼び名は、人々が長い時間をかけて夜空と付き合ってきた記憶を感じさせてくれます。
双眼鏡を手にすると、そんな月の表情をもう少しだけ近く感じることができます。


【ハンターズムーンとは】

「ハーベストムーン(収穫月)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。秋分に最も近い満月に付けられた伝統的な名前です。2026年は9月27日がそれにあたりました。

そして、その次の満月がハンターズムーン。10月26日がその日です。

秋の収穫が終わり、野原が刈り取られてひらけた季節。その月明かりの下を、狩人たちは歩いたといわれています。特別な天文現象があるわけではありませんが、満月に名前を付けて季節の移ろいを感じてきた人々の感覚は、今も何かを伝えてきます。

■各地の月の出の目安

東京:16時35分(日没16時54分)
大阪:16時55分(日没17時11分)
福岡:17時18分(日没17時33分)

各地とも日没前後から月が東北東の空に昇りはじめます。低い位置にある月は地上の風景と重なり、いつもと違う満月の表情を見せてくれます。ただし、周囲の地形や天候によって見え方は変わります。観察の際は天気予報と合わせて確認してみてくださいね。

【双眼鏡を向けると、月面が語りはじめる】

■月の模様に隠された過去

月の表側
NASA/Goddard Space Flight Center/Arizona State University
出典:https://science.nasa.gov/resource/lunar-near-side/

肉眼で見る満月は、ただ丸く白く明るい。でも双眼鏡をのぞくと、その表面に模様があることに気づきます。

暗く見える部分は「月の海」と呼ばれます。水があるわけではありません。はるか昔、火山活動によって溶岩が流れ出し、広い平原を作ったものです。「雨の海」「晴れの海」「静かの海」。それぞれに名前が付いています。

双眼鏡で月全体を見渡しながら、明るい高地と暗い平原の違いをたどってみてください。月が何度も噴火し、隕石に叩かれながら、今の姿になってきたことが、なんとなく感じられてきます。

■満月は模様を楽しむ日

満月は、月の海の模様やクレーターの光条(こうじょう)を見るのに適した時期です。一方で、クレーターの凹凸や山の影の立体感は、上弦や下弦など太陽光が斜めから当たる月齢のほうが見やすくなります。
満月だからこそ楽しめること、別の月齢だからこそ見えることがある。月は、見るたびに違う顔を持っています。

【南の空に白い筋を探してみる】

ティコ・クレーター
NASA/Goddard/Arizona State University
出典:https://science.nasa.gov/resource/tycho-crater-on-the-moon-labeled/

月の南側に目を向けると、白い筋が周囲に広がっているのが見えます。これが「ティコ・クレーター」です。

直径約85kmのクレーターそのものも存在しますが、ティコを特別にしているのは、周囲に広がる「光条」と呼ばれる白い放射状の筋です。これは、遠い昔に天体が衝突したとき、飛び散った物質が月面に広がったもの。その痕跡が今も残っています。

NASAによると、ティコが形成されたのはおよそ1億800万年前と推定されています。月面の多くの大型クレーターが38億年以上前に形成されたのに比べると、比較的新しい時代に生まれたクレーターです。だからこそ、まだ光条が薄れずに残っているのです。

双眼鏡でその白い筋をたどるとき、1億年前の衝突の余韻に触れるような感覚があります。

【双眼鏡での観察、はじめの一歩】

月の観察は、準備がほとんどいりません。天気さえよければ、今夜すぐに始められます。

まず肉眼で月を見つけてから、ゆっくり双眼鏡を持ち上げます。月全体が視野に収まるように調整したら、しばらくそのまま眺めてみてください。暗い海がどこにあるか、南側に白い筋が見えないか。急がず、ゆっくり探してみるのが楽しみ方のコツです。

手ぶれが気になるときは、椅子に腰掛けて肘を膝の上に乗せるか、壁や手すりに寄りかかると安定しやすくなります。三脚があれば、さらに落ち着いた観察ができます。

夕方の月が低い位置にある時間帯は、街並みや木々と一緒に眺める風景として楽しんでください。高度が上がってからのほうが、月面の細部を見るには向いています。

なお、太陽が出ている時間帯に双眼鏡を空に向けることは大変危険です。必ず日没後、安全に月が確認できてから観察を始めてください。

【翌日の夜空にも目を向けて】

満月を楽しんだ翌日、27日夜から28日にかけては、月がプレアデス星団(すばる)の近くを通ります。NASAの10月の星空案内でも紹介されている現象です。

ただし、満月直後の月明かりが明るいため、すばるの星々はやや見えにくい状況になる可能性があります。それでも双眼鏡を向けてみると、月の近くにぼんやりとした光の集まりが見えるかもしれません。

満月の夜から始めて、翌日の夜空にも少し目を向けてみる。そんな続きがあるのも、秋の月の楽しみ方のひとつです。

<出典>

国立天文台「2026年の満月時刻」
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou263.html

国立天文台「10月の星空」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/10.html

NASA「Hunter’s Moon, Dragon Fireballs fill October’s Spooky Skies」
https://www.nasa.gov/blogs/watch-the-skies/2026/10/05/disappearing-planets-dragon-fireballs-hunters-moon-fill-octobers-spooky-skies/

NASA「What’s Up: October 2026 Skywatching Tips from NASA」
https://science.nasa.gov/solar-system/skywatching/whats-up-october-2026-skywatching-tips-from-nasa/

■参考記事

双眼鏡選びの参考にしてみてください。
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双眼鏡で星空観察するなら? 失敗しない双眼鏡の選び方【初心者向け】
https://suzukaze.co.jp/blogs/zntqkqd4vnz

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大椛正志(Masashi Okaba)
大椛正志(Masashi Okaba)涼風工業 代表

双眼鏡に特化した国内ブランド「涼風工業」を運営。 100社以上の製造パートナー候補から選定を行い、光学性能・耐久性・使用環境を踏まえた製品設計を行っている。 スペックだけでなく「見え味(自然な見え方)」を大切にし、星空観察・野鳥観察・ライブなど、実際の使用シーンに寄り添った視点で検証と発信を続けている。 光の通り方や見え方に向き合いながら、日常の中でふと立ち止まりたくなるような体験を届けたいとの思いから、双眼鏡の選び方や楽しみ方を伝えている。